top of page

INTRODUCTION

本公演について

劇作家というしごとを、このごろ、戯曲(台本)を書く、ということに限定せず、「げきをつくる」ことだと考えるようになりました。何が「げき」なのか、というところも、自分勝手に決めて、あれも「げき」だ、これも「げき」だ、と言い言いしながら暮らしていて、あんまりえんげきらしいことをやってません。けど、たまには、ちゃんとした戯曲があって、ちゃんとしっかり作りこんで、ちゃんとやりたい、という気もちもある。でも、今、自分で書くのはまだ「そのとき」が来てない、でも、やりたい。次にやるべきことは、決まっていて、「愛」だとわかっていました。中身がわからないのに、なかばライフワークとしてこれをやるつもりで、「愛についての21の断章」というシリーズ名が決まっていました。そうして、さあ、何をやるのか、中身はなんなんだ? と思った時、目の前に小説家がいました。「書きませんか」と誘ってみました。大変なことを、たいそう軽々しく、言ってしまったのには違いありませんけれど、実はそのとき、すでに確信めいたものも、あったように思います。
集まってくれた演じ手たちと、濃厚なじかんを積み重ねるごとに、確信は強まる一方です。

劇作家 阿藤智恵

作者より

戯曲の執筆ははじめてのことですが、ほとんど制限のない状態で、好きなように書かせてもらっています。短編集『O介』から、第1幕は「関係ー未来」を、第2幕は「ドーナツ」をモチーフにして書きました。作中に登場するファーレ立川と同じく「驚きと発見」をテーマに、小説にはできない表現を試しながら、信頼できる仲間との劇づくりを堪能しています。ご覧になった方にも「驚きと発見」を持って帰ってもらえるとうれしいです

大鋸一正

bottom of page